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●第37号メニュー(2009/1/18発行) |
【神・神社とその祭神】《そのXVII》 宗像大社・厳島神社 |
【宗像大社】 〔三社の由緒〕 〔三社を結ぶみあれ祭=l |
【厳島神社】 〔弥山信仰の美と荘厳〕 〔弥山と弘法大師〕 |
宗像大神は別の神名を「(「)道主貴(みちぬしのむち)」とも呼ばれていました。道主貴とは、国民道をはじめあらゆる道を司る最高の存在で、鎮座地は伊勢神宮に次ぐ広域で、海外に対する辺要の門戸として重要な位置におかれています。大島・沖ノ島・対馬を結ぶ海路は、北九州から朝鮮に至る重要な経路でありました。 そこで宗像神社は海上交通の守護神として栄えました。もともと古くから大和朝廷との結びつきもあり、大化改新による国郡の制では宗像一郡が神領として与えられ、豪族宗像氏が神主を兼ね、神郡の行政も司っていました。 さらに、宗像三女神の鎮座地が大陸および朝鮮半島への重要な航路にあることから、これらの神々は海外交通・航海安全の守護神として崇敬されました。そして中津宮が鎮座する大島は玄界灘の漁業基地であり、漁民の大漁を祈願する信仰も生まれました。 昭和29年から三次にわたる沖ノ島における学術調査により、三社の一つ沖津宮の莫大な遺物が海の正倉院≠ニして注目を浴び、宗像神社の祭祀に関する遺品が発見されました。これらは4世紀から10世紀わたるものであります。 沖ノ島は周囲4`の孤島ですが、島全体が豪華な祭祀遺跡で、巨岩のかげなどから発見された2万点にもおよぶ遺物の多くは国宝に指定されています。 |
大島は、面積7・49`、人口1700人の小島です。ここに宗像神社の中津宮があります。 島は玄海灘の漁業基地であり、漁民の大漁を祈願する信仰がみられます。 沖津宮のある沖ノ島は、古記録に「澳津島」「瀛津島」とも書かれています。そのほか「不言(おいわず) 島」とも呼ばれますが、島のことについて決して口外しないという意味であります。 沖ノ島は山口県と対馬を結ぶ一線の中ほどにあり、最も近い大島でも50`あり、江戸時代には福岡藩が外国船監視に警備の役人を送ったりしましたが、近年は島へ渡る定期便も無く、明治38年に設置された沖ノ島灯台を管轄する海上保安庁の船が、10日間隔で勤務要員交替のために立ち寄るだけであります。ところが最近無人灯台となって交替が廃止となり、沖津宮奉仕の神職と聖地監視人が各一人、島に留まるだけとなりました。 しかし、沖ノ島付近は西日本でも有数の漁場なので、島の南端に緊急避難用の波止場があります。その一帯を御前とよび、島で唯一つの船着場であります。波止場から左手の鳥居をくぐると、九十九折の石段が社務所に通じ、同所から更に急な石段を登ること200mほどで沖津宮社殿に達します。社殿の付近にはいまも古い祭祀遺跡を見ることが出来ます。 島全体が神域なので、島へ渡るときは大島で潔斎し、上陸前にも禊(みそぎ)が行われます。島にあるものは御神水と魚介類のほかは、一木一草たりとも持ち帰ることは許されません。禁を犯せば崇があると信じられてきました。島への参詣は、年一回5月27日の現地大祭のときを利用する以外は、なかなか困難であります。 沖ノ島では、忌詞(いみことば)が数多く存在しています。つまり島全体が神域なので、敬意を欠いた言葉は使わないことになっています。貝原益軒も『筑前国続風土記』(16巻、澳津島)に、「この島にて忌詞多し。常の詞のけがれ也と云。僧侶、山伏、女人、牛、馬、鹿、鼠は皆別名を有」と記しています。数例をあげると、塩はナミノハナ、米をシャリ、味噌はヒシホ、血や尿をアセといいます。神の島なので神事に穢れのあるシやチといった言葉を忌み、名をかえています。 |
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【神・神社とその祭神】《そのXVII》 宗像大社・厳島神社 完 つづく |